電力需要が集中する時間帯に供給が逼迫し、電力網に大きな負荷がかかる「ピーク時の消費」を抑えることは、安定した電力供給と電気料金の上昇防止にとって極めて重要です。ZEB（ゼロ・エネルギー・ビル）は、高断熱設計や高効率機器の導入により、建物全体のエネルギー消費をそもそも抑える設計思想に基づいており、これ自体がピークカットに貢献します。さらに、太陽光発電による自家発電と蓄電池の活用により、ピーク時間帯における系統電力への依存を減らすことができます。加えて、BEMS（ビルエネルギー管理システム）を活用すれば、時間帯や用途ごとにエネルギー使用を最適化することも可能です。ZEBはこうした複合的な仕組みによって、建物単体で「ピークを自律的に制御する」ことができ、電力インフラの安定にも大きく貢献しています。
