
目次
災害時拠点としてのZEB
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)は、平常時の省エネ効果だけでなく、災害時の自立性や機能性から「防災拠点」としての活用が進んでいます。近年、各地でZEB化された公共施設や教育機関を中心に、実践的な防災訓練が行われるケースが増加しています。
例えば、ある自治体ではZEB認証を取得した市民センターを活用し、太陽光発電と蓄電池を用いた電力供給訓練や、停電シナリオに基づいた照明・空調・通信設備の運用確認が行われました。また、防災備蓄の管理や災害時の避難動線の確認、BEMS(ビルエネルギー管理システム)を使った電力の最適配分の演習も組み込まれ、実際の災害時を想定したリアルな体験が可能となっています。このような訓練は、地域住民の防災意識を高めるとともに、ZEBの災害対応力を体感的に理解してもらう好機となっています。
ZEB拠点を使った防災訓練は、施設の機能確認だけでなく、地域全体のレジリエンス向上に貢献する次世代の防災活動のモデルとして注目されています。