
温室効果ガスの排出削減量を「価値」として取引できる仕組み、それがカーボンクレジットです。近年、企業の脱炭素化を後押しする手段として注目を集めています。一方、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)は、建物の省エネ・創エネによってエネルギーの使用を最小限に抑えることで、実質的なCO₂排出をゼロに近づける設計思想です。このZEBによって削減されたCO₂排出量をカーボンクレジットとして活用できれば、環境価値を経済的利益に変えることも可能になります。また、ZEB導入を進めることで、自社内の排出量だけでなく、他者へのクレジット供給も視野に入れることができ、より戦略的な脱炭素経営が実現します。今後、ZEBとカーボンクレジットの連携は、建築と環境金融をつなぐ新たなチャンスを生む領域として、大きな可能性を秘めています。