
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を導入する際、多くの人が気になるのが「メンテナンスコストはどう変わるのか?」という点です。結論から言えば、ZEB化によって初期投資は上がるものの、長期的にはメンテナンスコストを抑えられる可能性が高いと言えます。ZEBでは、高断熱材や高性能窓、高効率空調・照明設備などが採用され、これらは耐久性が高く、長寿命な製品が多いため、更新頻度が低く済むというメリットがあります。また、BEMS(ビルエネルギー管理システム)によりエネルギーの使用状況や設備の稼働状況を常時モニタリングできるため、故障の予兆を早期に発見し、予防保全的な維持管理が可能になります。一方で、太陽光発電や蓄電池など創エネ設備の導入により、新たな点検・保守項目が増えることも事実ですが、補助金や保守契約の活用でコストを平準化することが可能です。総合的に見れば、ZEBは効率的で計画的なメンテナンス体制を築ける建物として、長期的なランニングコストの安定に寄与する存在です。